今井さん、若い。大体4年か5年前。






加藤陽子と言う歴史家の「それでも、日本人は「戦争」をえらんだ」と言う本を読んだ。自分の知らない歴史家だったし、なによりタイトルに惹かれて手に取った。論文ではなく、氏が高校生と明治から昭和の日本が対外的に行った戦争を討論した時のやり取りを綴ったモノで売れているらしい。国と国が手段である戦争を選ばざるをえない状況になって始めて戦争は行われる。その状況に至るまでには両者過程・理由があり、そこの部分を多いに語ってくれているものとタイトルを見てそう思い、手にとってみた。しかし読んでみた結果大いに期待を裏切られ、なんとも言えぬやり切れなさと多少の怒りがこみ上げる。絵に描いたような日本否定論、親中も良い所。特に蒋介石擁護がハンパ無い。それを高校生に刷り込んでいるのがもう許せなくて許せなくて。本と言うものは自分に知らなかった知識を多聞に教えてくれる大事な存在だと思っているが、今まで読んできた本の中で初めて焚書してやろうかと思うほど。百歩譲って僕が偏った見方で読んでいたとしよう、それでも史実と言うモノは一つだけで、様々な資料を基に研究がなされ、分からなかった部分が解明されて行くモノで、明らかにそこの部分を捻じ曲げて、もしくはキチンと説明せずに話を進めているのを見ると、どんなに偏ってようがいまいが、素人であろうが、異論を唱えなければならないのではと思う。少なくとも個人レベルで異論を言える知識は得て来ているつもりだ。日清日露まではまぁ良しとしても、支那事変、大東亜と、筆者の都合の悪い部分をはしょるな。ハルの名前を出しておきながらハルノートの説明をしないとはどう言う事だ?知らないはずはないだろう。ABCD包囲網は?日本がポツダム宣言をすぐに受ける事が出来なかった理由は?それを分かっていてなぜアメリカは天皇の事をポツダム宣言から省いたのか?そこを説明しなければ見解が180度変わってしまう事ぐらい分かっているはずで、明らかに意図的に省いているとしか思えない。全然日本が戦争を選んだ理由が書いてない。良く見たら朝日新聞出版だった。なるほど。悲しい事に13刷もしている…。一つ救われるのは、講義に参加した神奈川の栄光学園の生徒諸君が非常に優秀な事だ。きっとその内あのおばさんが言っていた事はおかしいと気付いてくれるだろう。